9月 第3号 「ゆらゆらとぐらぐら」どうちがう?

 9月24日 みどり組5歳児 「素晴らしい感性の育ち」
  ベトナム国籍の女児Aが「歯がゆらゆらする。」と言う。それを聞いた女児Kが「ゆらゆじゃなくてぐらぐらやで。」と言う。「ゆらゆらぐらぐらも揺れている感じやけど、確かに歯は、ぐらぐらっていうな。ゆらゆらってどんな時に使う?」と尋ねると「ゆらゆらはあれ!」とKが、風に吹かれている日よけのシェードを指さす。「なるほど。」と返すと、男児Nが「ブランコもゆらゆらかな?いやぶーらんぶ―らんかな?」と考える。「ぐらぐらは、歯のほかには何に使う?」と尋ねると「石とかかな?」と言う。Kは「硬いものは、ぐらぐらなんかな?」と考えていると、また風が吹いてシェードが揺れる。「やっぱりあれがゆらゆらやな!」とN児は笑う。「日本語って難しいなー。」と返すと、Kは、Aに「ベトナム語も難しいの?」と尋ねる。Aは、「難しい。」と答えた。A児は、上手に日本語をしゃべっているが、時々言い間違えがあったり、今回のように細かいニュアンスはつかめていないようである。子どもたちは「違うで。」と否定するだけでなく、どんな時に使う言葉か一緒に考えたり、自分たちの知らない言語もしゃべれるAのすごさも感じた。そんなやりとりを見ていて、子どもたちの瞬間的に「ゆらゆらぐらぐら」を使い分ける感性の豊かさに感動するとともに、豊かな自然環境の中で遊んで五感を磨いてきた成果だろうと思った。